源流

源流の魚達


  

◆美しき源流の魚たち◆


  2000年の夏、僕は念願の渓流釣りに挑戦しました。
  それも初挑戦で奥多摩に渓流の中でもハードな源流釣りに行きました。


  源流釣りとは簡単に言うと沢を上流までつめていく
  釣りです。
  上流までつめていくわけですから、滝を越えたり、
  徒歩ではいけない所を高巻きしたりと
  かなりハードで危険を伴う釣りです。
  

  しかし、その分自然は豊かで、
  魚達もものすごくきれいです。

  
  僕が源流つりに挑戦することになったのは、1枚の写真がきっかけでした。
  その写真にはなんとも美味そうな【お寿司】が並んで写っていました。
  美味いものと酒に目がない僕は、写真の持ち主の現アウトドアの師匠に
  「この寿司はなんの魚ですか?」と聞いたところ、「岩魚だよ。」と答えが返ってきました。


  岩魚なんて生で食えるのか!?と僕は驚きました。その頃の僕の頭の中では
  川魚を生で食べるなんて信じられなかったのです。


  これは絶対食べてみたいと思い、師匠に話したら、
  川の中流部にいる岩魚はやはり生はあぶないから、
  これを食べたかったら源流までいくしかないよと
  教えてくれました。


  ◆源流釣り挑戦への道のり


  体力もそれなり自信があり、釣り心も自分なりに多少はあると思っていた僕は、
  ぜひ源流にいって、岩魚のお寿司が食べたいと師匠にお願いしました。
  師匠は、快く引き受けてくれて、いっしょに連れて行ってもらうことになりました。


  後から聞いたのですが、沢登りは危険がつきものだし、命にも関わってくるので
  ある程度体力があって、性格なども良く知った仲ではないと
  連れて行かないようにしていたそうです。


  僕の師匠は源流釣りのベテランで、もう20年以上いろいろな沢で釣りをしています。
  その中でも奥多摩の沢は、魚影の濃さなどはともかく、景観などとても気に入っている
  沢だそうです。


  師匠は初めての僕でも、そう難しくなく、
  岩魚の釣れる沢を選んでくれました。
  

  釣りにいく1週間くらい前に、岩魚の釣り方や
  自分の荷物のパッキングの仕方、沢での歩き方、
  注意することなどをレクチャーしてもらいました。


  ◆源流釣りへ出発!!しかし・・・


  僕達の源流釣りの日程は、夕方出発→現地で車中1泊→沢に入り、山で1泊の予定で行きました。
  釣行当日は快晴、期待と不安を胸に奥多摩に向かいました。
  しかし、残念なことに入ろうとしていた沢は、途中土砂崩れで通行止めになっており、
  入ることが出来ませんでした。
  でも、そこはベテランの師匠、すぐに沢を変更して違う沢に向かいました。


  新たに入ることになった沢には岩魚は釣れないけれど、アマゴが釣れるということでした。
  自然ておもしろいなっておもったのが、同じ水系の沢なのに違う枝の沢に入ると
  岩魚釣れないアマゴだけとか、ここは岩魚だけとか、人間が手を加えているわけでもないのに
  きっちりとわかれているのです。


  何故そうなのかもわかりませんし、全ての沢がそうではないのかもしれませんが
  自然って本当に不思議でおもしろいなぁと思いました。


  ◆いよいよ源流釣り!!


  夜8時ごろ現地に到着し、沢に入る側道にテーブルとイスをだし、ランタンを点け、
  念のためちょっとしたカーサイトタープをはり、外で夕食をとりました。もちろんお酒も!!
  しかし、次の日からの釣行を考え12には就寝。
  翌朝4時30分起床、5時出発です。


  側道のガードレールの脇より道なき道を下り、沢へはいります。
  真夏だというのに沢の水は眠たい頭をすっきりさせてくれるくらい冷たかったです。


  最初はタモで川虫を取りながら竿を出さずに上流へ登っていきます。
  餌は現地で取る川虫の他にサシも持参していきました。


  30分〜1時間程歩いた後、初めて竿を出しました。餌は川虫。
  静かにポイントにキャストし、水の流れに逆らわぬよう、餌が底につかぬように魚を誘います。
  すると、2投目に初のアタリ!!初めての渓流の魚とのやりとりは、
  とても心地よい緊張感の中、ものすごく楽しませてもらったことを覚えています。


  焦らずゆっくりと魚を引き寄せ、なんとかバレずに引き上げました。
  とても美しいアマゴでした。体長も25cmくらいとビギナーズラックともいえる
  なかなかのサイズでした。


  そこからまた「次は尺アマゴ!!」などと思いながら  
  (生意気!!)、
  上流へ釣りをしたり、滝を高巻きしたり、岩をへつったりと
  まさにアドベンチャーの源流釣りを楽しみました。
  (楽しんだより、ビビッた事のほうが多かったです・・・)


  ◆大満足の釣果。アマゴと大自然に乾杯!!


  6時間ほど、釣りや沢でのアドベンチャーを楽しみ、テントを張る場所まできました。
  もちろん整備などはされていませんが、大自然のフィールドという感じで最高の場所でした。


  その場所にテントを張り、ザックを置いて身軽になりまた釣りをはじめました。
  結局その日は20〜25cmのものすごくきれいなアマゴを7匹釣る事ができ、
  大満足の1日でした。


  真夏といえども山の中は日が暮れるのが早いので、明るいうちに釣りを終了し、
  流木を集めて、宴の準備に取り掛かりました。
  その夜はもちろんアマゴ尽くしの料理です!!
  下界重たい思いをしてもしっかりと持ってきたビールと焼酎、それに骨酒用の日本酒で宴です!!


  アマゴは、塩焼き、骨酒、それに岩魚ではないけれども、あこがれの寿司です。
  アマゴの寿司はほんのり脂がのっていて、なおかつさっぱりして
  川魚とも、もちろん海の魚とも思えない、はじめての味でした。もちろん美味!!


  この大自然の中で暮らしていたアマゴを食べるたびに、自分の体の中にも
  大自然のパワーをもらっている感じがしました。
  もちろん気のせいかもしれませんが、そんな気持ちにさせてくれる源流のアマゴと
  大自然溢れる奥多摩の沢に本当に感謝したい気持ちでいっぱいでした。


  1日歩いた疲れも手伝い、僕は気持ちよく酔って「森の熊さん」を1人で復唱しながら歌い、
  岩に生えてたコケに頬ずりなどしていました。フワフワして気持ちよかったですよ!!
  そのあとは、最高に楽しい気持ちで爆睡させていただきました。


  ◆運が良いのか悪いのか!?源流デビューで会っちゃいました・・・


  次の日の朝、6時30分ごろ起床。昨日のアルコールなどまったく残っていないと
  思えるほどすがすがしい朝。(ほんとはちょこっと二日酔い・・・)


  師匠とコーヒーを飲み、しばしボケーっと。至福の時です。
  そのあと師匠が、昨日のアマゴのアラと、釣りの合間に採ってきてくれていた水菜で
  雑炊を作ってくれました。これまた五臓六腑に染み渡る美味さで
  またまた大自然のパワーをもらった気持ちになりました。


  一服して撤収にかかり、8時ごろ出発。魚を釣りながらまた上流へと進んでいきます。
  途中2つ程滝を高巻いて、また沢に入り、釣りを始めました。


  ちょうど師匠に仕掛けの流し方を教えてもらっていた時、
  10mくらい先の左側の熊笹が、ガサガサッと音をたてました。

  反射的にそちらの方に目をやると、いきなり真っ黒い大きな物体がダンッダンッと出てきました。
  それは体長1mはゆうに超える【月の輪熊】でした。
  本当に黒光りしていて、10m先でも筋肉の躍動もしっかり見えました。


  僕は少しパニックになり、「どど、どうしましょう!?」と、師匠に尋ねました。
  しかし、どうするもこうするもないんですよね。
  左右は急斜面の崖、後ろはさっき高巻いたばかりの滝、目の前にはクマさん・・・
  逃げ場はありません。


  師匠は「目をそらすな!」と、僕にいいました。めちゃくちゃ怖かったですけど、
  目をそらさず、ずっとガンをとばし続けました。


  クマさんは水しぶきをあげながら沢を横切り、こちらをギロッと見ました。
  また2、3歩、歩くとギロッとこっちをみました。
  クマさんも「こいつら、なんだ?」みたいな気持ちだったのでしょう。


  するとクマさんはいきなり、僕達から見て右側の急な斜面をガガガガガガーッと登っていきました。
  すごい迫力です。開いた口がふさがりませんでした。


  上のほうまで登るとまたギロッと僕たちのほうをみました。
  やがて森の中に姿を消し僕達も一安心しました。


  あの時僕は、生きている心地が全くしませんでした。
  ちょっと大げさかもしれませんが、人生で初めて死を覚悟した一瞬でした。(いや、ホントに!!)


  これで小熊を連れていたり、出会いがしらだったらと思うと今考えてもぞっとします。
  何もなくて本当に良かったです。


  そこから、2時間くらい歩き(また熊に会ったらどうしようとヒヤヒヤでした)
  やっと登山道に出て、下山しました。僕の足はまるでロボットのようにカクカクしていました。
  でも、ものすごく心地よい疲れの中、家路にむかいました。


  ◆最後に・・・


  この時の車中1泊、山中1泊の僕の源流釣りの経験は、今でも僕のアウトドア遊びの
  基本になっています。


  危険のリスクも大きいけれど、これぞ大自然の中での遊びという事を感じさせてもらいました。
  自然と遊ぶと言うより、遊ばせてもらっているという気持ちが強くなったのもこの時からです。


  源流釣りは奥が深く、とてもすばらしい釣りだと思います。
  これからも続けていきたいと思います。(熊はもうカンベンですが・・・)




  《注意!!》


  もしこれから源流釣りをはじめたいと思ってらっしゃる方がいらっしゃいましたら
  必ずベテランの方の指導に従って始めてください。近くにベテランの方などいらっしゃらない場合は
  お金はかかりますが、プロの方に指導、同行をたのみましょう。
  勢いで何も知識のない仲間同士などでいくとかなり危険です!!


  最高の魚と最高のロケーションに出会える、ものすごく魅力のある趣味ですが、
  1つ間違えば命にもかかわる危険性がおおいにあるということをお忘れなく!!



  
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